陸軍平林射撃演習場跡

東近江市埋蔵文化財センター

2016年02月05日 09:00

東近江市の埋蔵文化財包蔵地に

陸軍平林射撃演習場跡」が新たに加わりました。(平成28年1月13日)

東近江市には、縄文時代から近現代までの埋蔵文化財包蔵地が現在521件を数えます
 埋蔵文化財包蔵地は、分布調査によって遺跡と推定されていたり、発掘調査によって実際に確認されていたり、過去に遺跡があった場所を示します。土盛りや地下の掘削を伴う工事をする場合は、届出が必要な区域で、滋賀県教育委員会が設定したものです。
 もちろん、この範囲外であっても遺跡が見つかることはあります。
 また今回は、従前より知られてはいましたが、近年地元の方々による調査研究により遺構が再認識され、開発からの保護をかける目的で、新たに埋蔵文化財包蔵地として設定されました。

大正時代、現在の沖野町を中心とした沖野ヶ原一帯に、国内初の民間飛行場のうちの一つとされる八日市飛行場が開設。大正11年には航空第三大隊が配備される陸軍飛行場となりましたが、昭和20年の敗戦によりその歴史を終えることになります。その後田園への開墾、現在の姿になるまで、一言では語れない歴史があります。昨年刊行された中島伸男さんの 『陸軍八日市飛行場 戦後70年の証言』サンライズ出版2015 をぜひご参照ください。
 なお、飛行場関係の現在も残る遺構としては、飛行機用掩体などが残る埋蔵文化財包蔵地「布引掩体群」や、連隊本部門柱(冲野神社に移築)などがあります。

陸軍平林射撃演習場は、陸軍の関係施設として、昭和17年に現在の東近江市平林町につくられました。
 長さ200m、幅70mの敷地に、土塁やコンクリート構造物が残ります。民地との境界には「陸軍」の文字がある境界杭があり、陸軍用地であったことを示します。戦後は地元に払い下げられています。



地元の皆様により様々な遺構が発見され、遺跡の顕彰をされておられます。


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