東近江市の「日本遺産」

東近江市埋蔵文化財センター

2015年11月27日 17:00

「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産
日本遺産に認定されました。

 平成27年度に全国で18件が選定されたうちの一つで、滋賀県内の6つの市に水をテーマとした遺産が分布します。東近江市では、「伊庭の水辺景観」と「五個荘金堂重要伝統的建造物群保存地区」が認定されています。

文化庁「日本遺産(Japan Heritage)」について

伊庭の水辺景観 

 東近江市伊庭町は5月の伊庭の坂下し祭が近江の奇祭として大変有名です。伊庭町は市の北西、琵琶湖の内湖(ないこ)と、繖山の間に位置します。内湖は湖上交通、繖山は朝鮮人街道や中山道といった主要道路が巡っていて、まさに交通の要衝にあります。

 伊庭町周辺は平安時代には伊庭荘と呼ばれる荘園で、中世に在地領主の伊庭氏が活躍し、近江守護六角氏との争いの舞台とされます。また集落内には鎌倉時代に遡る建造物である、大浜神社仁王堂が伝えられています。



 内湖は優れた漁場ですが戦後干拓され、一部が伊庭内湖として水辺の景観を残します。現在も伊庭町の集落内には交通や日常生活に使用した水路の形態がよく残っています。水と人々の営みをこの地域に特徴的な文化として未来に継承する取組を推進するため、では景観形成重点地区に指定しています。



 伊庭内湖の自然を守る会では探訪や清掃活動、能登川博物館では野鳥観察、東近江市スポーツ推進委員協議会では健康推進ウォーキングなど、様々な催しが行われていますので、ご興味のある方はぜひ参加してみてください
 
 
 

 伊庭の歴史は一言では語りつくせませんが、ぜひ東近江市史『能登川の歴史』をご参照ください。

五個荘金堂重要伝統的建造物群保存地区 

 9月下旬に毎年開催される「ぶらっと五個荘まちあるき」などで多くのお客様にお来しいただいています

 五個荘金堂重要伝統的建造物群保存地区は、近江商人の本宅と農家住宅からなる集落で、正方形の区画が残ります。これは、古代に遡る土地区画制度である条里制の名残をとどめたものです。住宅のなかには、生活用水として使用するためのカワトが残っていたり、また湧水を利用して庭園の池や水流が築かれています。


外村宇兵衛邸のカワト


中江準五郎邸の庭園

見学できる施設として、中江準五郎邸藤井彦四郎邸外村宇兵衛邸外村繁邸金堂まちなみ保存交流館があります。また、東近江市の観光案内所として東近江市ぷらざ三方よしがあり、パンフレットや物産の販売がされています。

こちらもぜひ訪れてみてくださいませ


関連記事