乾徳禅寺境内林が文化庁「ふるさと文化財の森」に

東近江市埋蔵文化財センター

2019年03月28日 10:00

東近江市五個荘川並町の乾徳禅寺の境内林が、平成31年3月11日に開催された文化庁文化財専門委員会で、檜皮の供給地として「ふるさと文化財の森」に設定されました。「ふるさと文化財の森」は、県内では4件目、市内では瓦屋禅寺境内林(H28)に続いて2件目の設定です。


3月20日には、文化庁にて、設定書の交付式が執り行われました。


文化庁では、日本の伝統的な建造物の修理に必要な木材や檜皮、茅、漆などの資材の供給林及び研修林として「ふるさと文化財の森」を設定しています。


宗教法人乾徳寺は、繖山(きぬがさやま)の山裾に本堂などの伽藍が位置し、参道付近及び伽藍後方の山林一帯に、ヒノキ林が広がっています。樹齢百年以上のヒノキが1,000本以上あり、これまでも檜皮が採取され、重要文化財建造物に供給された実績を有します。「ふるさと文化財の森」に設定されると、檜皮を供給するだけでなく、一般を対象とした檜皮採取の見学会などの伝統的な建築の技術継承に関する普及啓発や、檜皮採取のための軽微な整備に管理業務支援事業(国庫補助事業)を受けることが可能となります。


参道に立派なヒノキが


林の中の様子です。


職人さんが檜皮をはいだ様子です。縄一本で登っていかれ、素早い手さばきで作業されていきます。


整理された檜皮の様子です。

再生可能な自然素材を使って、建物が作られ維持されていくことに日本の伝統を強く感じます。原皮師さんの檜皮採取の作業もとても興味深いものです。今後、見学会などが開催される際には、このブログでもご案内しますので、ぜひご参加くださいね


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