中沢・斗西遺跡(佐野町)の発掘調査

2016年06月24日

point_4現在、埋蔵文化財センターでは中沢遺跡の発掘調査を行っていますかたつむり

point_4愛知川左岸の自然堤防上に位置する中沢遺跡は、隣接する斗西(とのにし)遺跡とあわせて、遺跡の面積は約19万㎡、古墳時代を中心とした集落遺跡です。見つかった竪穴建物跡は千棟以上、掘立柱建物跡は3百棟に及びます。
 微高地の周囲には、現在は埋没して見ることのできない旧河道が発掘調査され、堰と簗跡、丸木舟の一部が見つかっています。水の確保、漁労、水運など地の利に恵まれた場所であったことがわかっています水泳

point_4古墳時代前期には、外来系土器と呼ばれる、畿内、山陰、北陸、東海、吉備、讃岐など各地の土器が、集落遺跡で出土することが多く、中沢・斗西遺跡でも見つかっています。各地との交流の中で集落の生活があったことがうかがえますicon24

 
point_4遺跡のうち、約7万㎡が発掘調査されていますが、飛び抜けて大きかったり、区画された建物などは見つかっていません。
しかし、古墳時代に入る周溝墓跡が見つかっているほか、南東に位置する神郷亀塚古墳の被葬者の本拠地と目されており、集団の構造はまだまだ解明されていません。
 また、古墳時代後期には、繖山(きぬがさやま)に山面古墳群などの横穴式石室を持つ群集墳が築かれます。

point_4遺跡の北側には3重から5重といわれる塔心礎が残る法堂寺廃寺があり、白鳳寺院が建立されるなど、長く一帯の拠点的な集落であったと考えられています。
 『東近江市史 能登川の歴史』第一巻に、説明がありますのでご参考にされてくださいiconN04

 中沢遺跡25次調査
point_4発掘調査の様子(竪穴建物跡)icon01

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Posted by 東近江市埋蔵文化財センター at 09:00 │発掘