新指定文化財 松尾神社のこけら経公開中です!

2016年10月28日

tenki_2松尾神社(八日市松尾町)本殿内陣に安置され、現代に伝わった「こけら経」が公開されていますtenki_2

 松尾神社は、箕作山の南側にある延命山の山裾に位置する、地元の産土神を祀るお社です。著名な庭園研究者の重森三玲氏が昭和11年に調査し、桃山初期の作庭と認めた、多数の石組みを配した武家好みの庭園遺構があることで知られます(市指定文化財)。

松尾神社庭園
遺跡ではなく、その庭園が残り受け継がれているところがすごいiconN04

 こけら経は、薄い板材(こけら)に経典を墨書したものです。中世期に仏教が益々盛んになった時代を中心に、お寺に奉納されたり、川の遺跡から見つかるなど、祈りの空間に納められたものと考えられます。

こけら経公開の様子
伝世品でとても残りがよく、本当に薄くて、その加工にびっくりですiconN04
こよりで束ねてぴったりとひっついていたので、木目や墨筆が鮮やかで、本当にそんな昔のものなのiconN06フレッシュ感にさらにびっくりですface08

 
 松尾神社のこけら経は、「厳暹(げんせん)」という人が貞治4年(1365)ころから応安元年(1369)にかけて、法華経、無量義経、観普賢経を書写したものです。書写年月日や筆者名が明らかで、南北朝時代に遡る「こけら経」伝世品としてとても希少であり、学術的にも価値が高いものです。

 松尾神社周辺には、延命寺というお寺があったと伝わっています。こけら経はこのお寺から由来することも考えられますが、長年にわたり、松尾神社と地元の方々によって守られてきました。今後は、市指定文化財としての保存継承が期待されます。

東近江市指定文化財 松尾神社こけら経 公開

場所:東近江市能登川博物館(東近江市山路町2225)
期間:平成28年1026日()~平成28年1113日(
開館時間:10:00から18:00
休館:月・火・祝日
入場料:無料
展示品 新指定有形文化財(美術工芸品) 書跡・典籍
      名 称:厳暹(げんせん)筆こけら書法華経 10巻
      所有者:宗教法人松尾神社
      時 代:南北朝時代(14世紀)



同じカテゴリー(展示)の記事
 「びわ湖東近江SEA TO SUMMIT 2025」で雪野山古墳を紹介! (2025-05-19 10:00)
 観峰館 企画展「隠元隆琦350年遠諱 黄檗インパクト」 (2022-03-23 10:00)
 「東近江市の森里川湖つながり」フォトコンテスト2021 入賞作品展 (2022-03-18 10:00)
 能登川博物館企画展「聖徳太子in東近江」開催! (2022-03-17 10:00)
 湖東図書館「澤田弘行写真展 トンボと山野草を追いかけて」ギャラリートーク (2022-03-14 10:00)
 能登川博物館「聖徳太子in東近江」開催! (2022-03-12 10:00)


Posted by 東近江市埋蔵文化財センター at 19:34 │展示民俗